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慎重
なんか妖怪以上の存在になりつつあるな。
まあ、別にいいんだけどさ。
「お兄ちゃん、大丈夫? 痛いところとかない?」
「ああ、大丈夫だよ。というか、いつもより肩が軽いよ」
「油断しないでください。いつ力が暴走してもおかしくないのですから」
座敷童子の童子は相変わらず慎重だ。
あんまり気を張りすぎるのも良くないと思うのだが。
「雅人さん、今日は学校を休んでも良かったのですよ?」
「心配してくれてるのは分かってるけど、さすがにそこまでする必要はないよ」
「そう、ですか」
登校中、童子はずっと目を光らせていた。
そんなに意識しなくてもいいのに。




