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恩返し
木霊たちの案内のおかげで呼子の元まで辿りつくことができた。
ありがとう、木霊たち。この恩は一生忘れない。
「えっと、君が呼子なのかな?」
「ああ、そうだ。オイラが呼子だ」
各都道府県にいるかなりの霊力を持っている妖怪たち。
こいつはそのうちの一人、鳥取県代表である。
「そっか。なら、残りの四十六人を今すぐここに」
「それは無理だ。そんなことしたら日本全体を守ってる結界を維持できなくなる」
「え? そんなのあるのか?」
「あるぞ。まあ、普段はそんなに機能してないけどな」
なんで機能してないんだ?
というか、そんなものあるなんて初耳だぞ。
いったいこの国は何に怯えているんだ?
「そっか。じゃあ、せめて残りの四十六人がどこにいるのか教えてくれ」
「それくらいなら朝飯前だ。まあ、とりあえずお前が今日泊まる予定の旅館まで連れていってくれ。話はそれからだ」
「あ、ああ、分かった」
もしかして最初からそれが目的だったのか?
だとしたら木霊たちはグル?
うーん、まあ、一応恩返しはしておくか。




