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ヤッホー!
さてと、呼子探すか。
えーっと、たしか山に登ってから「やっほー!」って言うと明らかに自分の声じゃない「やっほー!」が聞こえてくるんだっけ?
まあ、とにかく山に登ってみよう。
*
「よし、到着っと。さて、試しに呼子を呼んでみよう。まあ、やっほー! って叫ぶだけだけど」
僕は向こう側にある山に向かってこう叫んだ。
「やっほー!」
本来なら自分の声が反響して……。
「ヤッホー!」
あれ? なんか今、自分の声じゃない声が聞こえたぞ?
き、気のせいかな?
う、うーん……ま、まあ、試しにもう一回やってみよう。
僕はもう一度、向こう側にある山に向かってこう叫んだ。
「やっほー!」
うん、やっぱり気のせ……。
「ヤッホー!」
あー、これはあれだな……。
ビンゴだな。
いたよ、普通に。
というか、なんで向こう側にいるんだ?
僕が今日、この日、この山に登ることが分かっていたのか?
もしそうだったら怖いなー。
まあ、いないよりかはマシだけど。
さて、これからどうしようかな。




