ミステリアス
暗い……。
ここは……どこだ?
真っ暗で何も見えない。
やっほー、元気してた?
お前は……鬼姫か?
うん、そうだよー。
な、なんかお前いつもと雰囲気違うな。
そう? あたし、いつもこんな感じだよ?
いや、なんかおかしいって。いつもはもっとこう、なんというか……その、どこかミステリアスな感じで。
ミステリアスか……。そんなこと初めて言われたなー。まあ、そんなことどうでもいいんだけどね。
どうでもいいのか。
うん、どうでもいいよ。
コホン……えー、あたしがあんたに言いたいことはただ一つ。
もうさ、あたしに全部渡しちゃいなよ。
え? いや、普通に嫌だけど。
いやいやいやいや、あんたの体はもうほとんど鬼化してるんだよ?
もうさ、あたしに全部ちょうだいよー。どうせ今年中に完全に鬼化するんだからさー。
それはもう確定しているのか?
うん。
そうか……。
ショック?
いや、なんとなくそんな気がしてたから別にショックではない。けど……。
けど、何?
みんなを置いて先に行きたくないな。
気持ちは分かるけど、これはもう天地がひっくり返ってもどうにもならないよ。
そっか……。じゃあ、その時が来たらお前に全部やるよ。
本当に?
今のところは……だけどな。
そっかー。まあ、その時が来るまでゆっくり考えな。
ああ。
じゃあ、あたしもう行くねー。
おう……。




