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お前は!?

 放課後。

 いつまで経っても童子わらこ(座敷童子)が現れない。

 僕は少し不安になった。

 もしや誰かに拉致られているのではないか。

 もしくはもう誰かに犯されているのではないか。

 そんな気がしてならなかった。

 最初は杞憂きゆうだと思った。

 だが、否定しようとすればするほど胸騒ぎがした。

 僕は決断するのと同時に走り出していた。

 あいつは一応、養護教諭。

 だとしたら保健室にいる可能性が高い。

 保健室の扉を勢いよく開けるとベッドの上に女の子が二人いて二人は目を閉じた状態でキスをしていた。

 僕はそれについて考えるより先に室内を見渡す方を優先した。

 この部屋には彼女たち以外、誰もいない。

 密室だ。

 僕は保健室の扉をゆっくり閉めると体育倉庫に向かった。

 そこには男子が六人いて、そのうちの一人(男の娘)に迫っていた。

 僕は他に誰かいないか室内を見渡した。

 その後、僕はその子を連れて体育倉庫を後にした。

 その子を正門まで誘導した後、僕は屋上に向かった。妖怪絡みじゃなければいいのだが。

 そんな僕の願いは見事に破壊された。


童子わらこ! いるか!!」


「……雅人まさと……さん?」


「お前、そこで何してる。まさか、そこから飛び降りるつもりじゃないだろうな?」


 童子わらこの目から光が消えている。

 まるで魂を抜かれているかのように。


「私……もう……生きていける自信がありません」


「なんで……なんでそんなこと言うんだよ。とにかくそこから動くなよ。今そっちに行くから」


「邪魔をするな。半端者!」


 夏樹なつき(僕の実の妹)の髪より強度はないが声の主の灰色の髪が僕を拘束した。


「だ、誰だ! 姿を見せろ!」


「今邪魔をされると困るんだ。あの娘が死の世界に行くまでおとなしくしていろ」


「お、お前は!?」

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