表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
433/1940

うちでなら

 夕方。


「……あ……あれ? 私……今まで何を……」


「あっ、起きたか」


「お、おはようございます、雅人まさとさん。ん? なんだかいつもより遠くまで見えますね」


「それはお前が僕の背中に乗ってるからだ」


「え? あっ、本当だ……って、私にそこまでする必要はありません! 今すぐ下ろしてください!」


 童子わらこが手足をバタつかせると彼はその場で停止した。


「待て待て。あんまり暴れるとケガするぞ」


「いいから下ろしてください!」


「……はいはい」


 彼女の熱が背中から離れる。

 程よい熱が心地良かったんだけどな。

 まあ、いいや。


「たまには見た目通りのことしてもいいんじゃないか?」


「心も子どもになれと言いたいのですか?」


「いや、別にそういうことじゃなくてな。その、少しは心を開いてくれてもいいのになーって話だ」


「そ、それは……無理です。外でそんなことできません」


「うちでなら心を開いてくれるのか?」


「そ、そんなの分かりません! ほら、とっとと帰りますよ!」


「はいはい……」


 やれやれ、夕日のせいで顔が真っ赤になってるじゃないか。

 まあ、多分それだけじゃないだろうな。

 僕は微笑みを浮かべながら早足で歩いていく彼女の背中を追っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ