表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
429/1936

お兄ちゃんの部屋

 お兄ちゃんの部屋。


「入室! 深呼吸! からのー! ベッドにダイーブ!!」


「え、ちょ、何してるんですか……」


 夏樹なつきさんは嬉しそうに雅人まさとさんのベッドに飛び込みました。

 彼の枕のにおいをぎながらニヤけています。それ、同性でもやられたらきついです。

 普通に引きます。


「お兄ちゃんの残り香を堪能してるんだよー」


「……ええ」


 この人はやっぱりおかしいです。

 実の兄のベッドにダイブして枕のにおいをぐ妹。

 漫画やアニメの世界ならあり得なくないですが、実際にやられると普通に気持ち悪いですね。


「ああ、お兄ちゃんのにおいがするー。あー、もうダメ。頭おかしくなっちゃうよー」


 もうすでにおかしいということに気づいてください。

 お願いします。

 じゃないと私は今日眠れません。


「いつまで突っ立ってるのー? 童子わらこちゃんも来なよー」


「えっと、え、遠慮します」


「逃げる気?」


 彼女の殺気からのがれるすべはありません。

 逃げようとした瞬間にやられます。


「そ、そんなことしませんよー。えーっと、それじゃあ失礼します」


 私がベッドに横になると彼女は私を抱き枕代わりにしました。

 普通に苦しかったですが耐えるしかありません。

 苦行だと分かっていても彼女の言うことは絶対です。

 私は彼女が完全に眠りにつくまで枕になりきっていました。

 そうしないと殺されると思ったからです。

 早く……早く朝にならないかなー。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ