反省
リビング。
「お兄ちゃん、元気そうだったね」
「……は、はい」
「はい、じゃない。何ほっとしてるの? 元凶は童子ちゃんなんだよ?」
「……は、はい」
あんまりねちねち言うと私が何かやらかした時に同じことされそうだから、このへんにしておこう。
「まあ、今のところなんともないみたいだから今回の件についての話はこれでおしまい。さぁ、早く寝よう」
「は、はい……」
あー、これはダメだね……。
心が壊れかけてる。
でも、自業自得……あー、でも私ちょっと言いすぎたかもしれない。
うーん、でも……。
えーい! あれこれ考えるのはやめやめ!!
とりあえず今日はもう寝よう!!
「童子ちゃん」
「は、はいっ!」
「今日、一緒に寝ようよ」
「え……」
なんでそんな世界の終わる瞬間を目の当たりにした時みたいな表情するの?
「いや、別に嫌だったらいいんだよ?」
「い、いえ……決して嫌というわけではなくてですね」
「じゃあ、何?」
「ひえっ! え、えええ、えーっと……その……今の私にはそんな権利がないと思いまして……」
なあんだ、そんなことか。
「一応、反省してるんだよね?」
「は、はい……」
「なら、もういいじゃん。ほら、もう私怒ってないよー」
私が笑ってみせると童子ちゃんの頬が少しだけ緩んだ。
「わ、分かりました。では、まいりましょう」
「おっけー」
私は夏樹さんと共に雅人さんの部屋まで向かい始めた。




