表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
408/1936

夢の世界

 僕たちは今、枕返しを探している。

 やつは夢を壊すのが三度の飯より好きな存在だ。

 いたずら感覚でやっているため悪意はない。

 しかし、一度夢を破壊されてしまうと修復するのは難しい。

 一番手っ取り早い方法はやつを倒すこと。

 それは僕のとなりにいる座敷童子の童子わらこに頼もうと思う。

 だって、彼女は文字使いなのだから。


「面倒なことになりましたね」


「え? 何がだ?」


「夢の世界で文字の力を使うと暴走する可能性があるんですよ」


「え? そうなのか? じゃあ、どうやって枕返しを倒すんだ?」


 彼女は僕を指差す。

 え、まさか……。


「ぼ、僕がやつを倒さないといけないのか?」


「あなたの鬼の力はあなたの体の一部のようなものなので夢の世界で使用しても問題ありません。ですが、文字の力は違います。文字に宿っている力を借りているだけなので」


 そうだったのか。文字の力って使ってことないから、よく分からないんだよな。


「そっかー。で? 枕返しの居場所に心当たりはないのか?」


「ないわけではないのですが……なにせ夢の世界ですから常に変形している空間で何かを探すとなると空間自体をおびえさせないと無理ですね」


「それができたら苦労しない……か。はぁ……まったく、夢の世界って案外居心地悪いんだな」


 僕がそのへんにあった石を蹴ると、それは夢の世界を壊し始めた。

 壊れる音はまるでガラスのようだ。


「あれ? 夢の世界って、こんなにもろいのか?」


「そのようですね。まあ、これできっと向こうから現れますよ」


「だといいんだが……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ