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なぞなぞ

 お昼休み。


「あー、暇だー。雅人まさとー、なんか面白いこと言ってよー」


「食事中に話しかけるな」


「えー、別にいいじゃん。ねえねえ、なんか面白いこと言ってよー」


 僕の幼馴染である『百々目鬼(とどめき) 羅々(らら)』は僕の前の席に座って、ふなこぎをしている。

 そんなことをしていたら椅子がいたむぞ。


「うーん、じゃあ、火をつけて困るランプはなーんだ」


「なるほど、なぞなぞか……。うーん、何かなー」


 悩め、悩め。一生悩め。

 僕は彼女が悩んでいる間に、お昼を済ませた。


「さてと、それじゃあ、図書室にでも行くか」


「え? ちょ、ちょっと待ってよ! なぞなぞの答えは!」


「え? あー、まあ、そういうのは自分で考えて答えを出した方がいいぞ。じゃあ、そういうことで」


「ちょ、ちょっと待ってよ! 答え教えてよ! ねえ、雅人! このままじゃ、今晩眠れないよ!」


 いつも僕をからかってくるお前が悪いんだよ。

 さあて、優雅に読書でもしようかなー。


「神様! 仏様! 雅人まさと様! お願いします! 答えを教えてください!」


「ちょ、廊下で土下座するなよ。分かったよ。じゃあ、ちょっとこっちに来い!」


 彼が彼女を図書室に連れて行くのを夏樹なつき雅人まさとの実の妹)は見逃さなかった。


「お兄ちゃん……どうして私を誘ってくれないの? そうか。あの女か。あの女がお兄ちゃんを誘惑して。許せない、お兄ちゃんを……返せ!!」


 彼女はあらぶる黒い長髪で窓ガラスを割らないように気をつけながら二人のあとを追った。

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