表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
388/1937

おやすみなさい

 地獄(耳掃除)が終わると夏樹なつき童子わらこは今日は僕と寝たいと言い出した。

 僕が断ろうとした……が、二人の期待の眼差しにはかなわなかった。

 その日は二人に体をいてもらった。

 いたずらされなかったとは言い切れないが、しっかり体を拭いてもらえたため、かなり疲れが取れた。


「じゃあ、電気消すよー」


「ああ、頼む」


 夏樹なつきは電気を消すと同時に俺に抱きついた。


「あー、お兄ちゃんのにおいだー。ねえねえ、お兄ちゃん。ちょっとだけ首筋噛んでもいい? いいよね?」


「……ちょっとだけだぞ」


「わーい! やったー! お兄ちゃん大好きー! それじゃあ、いただきまーす。はーむっ♡」


 夏樹なつきは俺の首筋に甘噛みすると嬉しそうな声をあげた。

 僕が童子わらこを無視して寝ようとすると童子わらこが僕の耳に甘噛みをした。


「ちょ、いきなり変なことするなよ。あー、びっくりした」


「あなたが私を無視するからです。雅人まさとさん、私もあなたの首筋に甘噛みをしてもいいですか?」


「え? やだ」


「なーんてことを言う人には一晩中、耳がかゆくなる呪いをかけます」


 あっ、これ拒否したら死ぬやつだ。


「ごめんなさい。ぜひやってください」


「最初からそう言えばいいのです。では、失礼します」


 座敷童子の童子わらこはまず僕の首筋に軽くキスをした。

 そのあと舌で首筋を少し舐めた。

 注射をする前にやるアルコール消毒か何かかな?

 童子わらこは俺の首筋に甘噛みするのと同時にキスマークを付けた。

 あの……僕はあなたのものじゃないのですが……。

 というか、そんなことされたら学校で目立……あっ、それが狙いか。

 僕はあなたのものですってことをみんなに見せつけたいんですね。

 童子わらこはそれを何度か繰り返すと、最後に僕の耳を舐めた。


雅人まさとさん、私と結婚する気はありませんか?」


「今のところないです」


「そうですか……。では、これから毎晩あなたの首筋を甘噛みしますね」


「それはやめてください。お願いします」


「ふふふふ、冗談ですよ。あなたは本当にいじめがいがありますね。ふふふふふふ」


 怖い、怖い、怖い、怖い。

 何なんだよ、今の気味の悪い笑い声は。

 はぁ……もういいや。今日はもう寝よう。

 二人は気が済むまで僕の首筋に甘噛みをしていた。

 僕は無理やり自分の意識を遮断した。

 おやすみなさい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ