ウッザ!!
皆、ふーちゃんとカプセルンの歓迎会の準備をしている。
ちゃんと働いている働きアリがせっせと準備をしているようで少し面白い。
「えっと、僕と一緒に買い出しに行ってくれる人は手を挙げてー」
全員、少しも躊躇うことなく手を挙げた。
「えっと、ふーちゃんとカプセルンは歓迎会の主役だから、今回は遠慮してくれ」
「……はい、分かりました」
しょんぼりしている人造妖怪のふーちゃんをカプセルンが励ます。
「えっと、童子はここにいてくれないと困るから」
「……分かりました」
童子(姉)の表情がいつもより暗くなる。
そんな彼女を励ましたのは童子(妹)だった。が、彼女はそっぽを向いてしまった。童子(妹)はしばらくの間、目をパチクリさせていた。
「ダーリン、私と一緒に行こうよー。ねえねえ」
「うーん、そうしたいとは思ってるんだけど。お前、猫だからなー」
家出中の白猫はその場で駄々をこね始める。
「ヤダー! ヤダー! たまにはダーリンと一緒にお出かけしたいー!」
「こら! お兄ちゃんが困ってるでしょ! おとなしく留守番してなさい!!」
夏樹(雅人の実の妹)は白猫を叱る。
そういえば、どっちが年上なんだろう……。
まあ、いいか。
「ということで、お兄ちゃん。買い物に行こう!」
「お前は余計な物を買いそうだから留守番だ」
ガーンという効果音が彼女の周囲から聞こえてきそうなほど、彼女はショックを受けた。
「えーっと、じゃあ……」
「悪いね、みんな。じゃあ、あとよろしくー」
雅人の腕に抱きついたのは童子(妹)だった。
「ぐぬぬ……。言っておくけど、お兄ちゃんに変なことをしたら、すぐ分かるからね!」
「変なことってなあにー? 私、分かんなーい」
ウッザ!! いつか絶対、絞め殺してやるー!
「それじゃあ、お姉ちゃん。いってきます」
「……いってらっしゃい」
こうして雅人と童子(妹)は買い出しに行くことになった。




