疑問
僕がバイト先のファミレスに行き、更衣室に入ると机の上に店長(猫又)がいた。
「店長、どうかしましたか?」
店長はニコニコ笑いながら手招きをした。
「……?」
僕は一瞬、躊躇った。
しかし、特に嫌な気配はしなかったため、店長の方へ歩み寄った。
「何か困っていることはないかな?」
「困っていること……ですか?」
店長(猫又)は「ああ、そうだよ」と言う。
「そうですね。特に困ってはいませんが、僕の体の中にいる存在が何者なのか知りたいです」
店長(猫又)の笑顔が一瞬、強張る。
「そうか……。もう出会ってしまったのだな」
店長(猫又)の意味深なセリフの意味はよく分からなかったが、僕は店長(猫又)にこう訊ねた。
「あの……店長」
「なんだね?」
僕は一度、それを口に出そうか悩んだ。
しかし、今ここで訊ねておかないといけないと思ったため、僕はこう訊ねた。
「僕の体の中にいる存在と面識があったりしますか?」
店長(猫又)は髭をヒコヒコと動かすと、静かにこう言った。
「知っていないと言えば、嘘になるかな。しかし、今ここで話すと色々めんどうだ。仕事が終わったら、またここに来なさい」
「……分かりました。では、失礼します」
僕はマッハで着替えると、その場を後にした。