動力源
とある企業の地下。
「キシャー!!」
「おっと危ない。はい、足2本目」
雅人は対妖怪殲滅兵器『土蜘蛛』と戦っていた。
「ナアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
「うるさいな……まるで痛みを感じているような叫び声だな」
乙さんが座敷童子二人に霊力を分け与えていると、童子(姉)が彼女の手を掴んだ。
「あの兵器の……動力源、は……妖怪の命……です」
「……! それは本当ですか! ということは、あれを倒してしまうと、あの中にいる妖怪も死んでしまうということですか!?」
雅人はその会話を戦いながら聞いていた。なるほど……だから、こんなに……苦しそうなんだな。
「すまないな。時間切れだ」
「バ……バカニスルナアアアアアアアアアアア!!」
やつが口を大きく開けて雅人を食べようとする。
雅人は自分から、やつの口の中に飛び込んだ。
「キャハハハ!! 殲滅かんりょ……」
雅人がやつの体内を壊しながら進んでいく。
「ヤ、ヤメロ! アア……侵入者ゴトキニ……体ヲ壊サレル、ナンテ……アッテハ、ナラナ、イ」
雅人はやつの体内に丸いカプセルの中に入っている少女を発見した。
彼はその中で水色の液体と共に閉じ込められている少女の元まで駆け寄ると、それと共に天井から脱出した。
「じゃあな……また会えたらいいな」
彼はそのカプセルを地面にそっと置く。
その直後、彼はやつの方を向いた。
彼は鎮魂するかのように合掌した。
「妖怪……全テ、殲滅……せん、め……つ……」
やつは何かに押しつぶされた。
見えない何かにペシャンコにされてしまった。




