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 トラックの前で前転してから道路に飛び出したペルシャ猫を救出した雅人まさとは道路をって妹がいる場所までジャンプした。

 彼は鬼の力を宿している人間だ。

 しかし、その力を扱えるのは一日三分までだ。

 今のところ、それが限界だ。

 それ以上使うとどうなるのかは彼にも分からない。


「お兄ちゃん! 大丈夫!?」


「ああ、大丈夫だ。まったく、命は大事にしろよ。おい、聞いてるか?」


 猫に何を言っても分からない。


「ニャー?」


「はぁ……猫はマイペースでいいよなー」


 毛の色は白。瞳はオッドアイのペルシャ猫は彼の腕の中で大きな欠伸あくびをした。


「そうだねー。お兄ちゃん、私にも抱っこさせてー」


「おう、いいぞ。落とすなよ」


 夏樹なつきに猫を渡すと、猫は彼女の腕の中で胸をフミフミし始めた。


「あははは! くすぐったいよー!」


「ニャー」


 あー、猫とたわむれてるうちの妹、可愛い!

 この映像は永久保存しよう。


「お兄ちゃん、鼻血出てるよ。大丈夫?」


「え? あー、すまん。ちょっと興奮して」


 興奮?


「お兄ちゃん、もしかして……猫に興奮したの?」


「いや、そうじゃなくてだな。その……お前が猫を抱っこしてると可愛さがマシマシになって、アドレナリンがドバーッと……って、僕はいったい何を言っているんだ?」


 それを聞いた夏樹なつきはクスクスと笑った。


「そっかー。そういうことだったんだね。ごめんね、勘違いして。そうだよねー。お兄ちゃんは重度のシスコンだもんねー」


「ぼ、僕は重度のシスコンじゃないぞ! ……多分」


 完全に否定できない雅人まさと

 しかし、それはそれで嬉しいと思った夏樹なつきであった。


 *


「そういえば、この猫って、どこの家で飼ってるんだ?」


「え? あー、えーっと、たしか……かぶとさんだったかな?」


 かぶと

 そんな名字あるのか?

 まあ、いいや。とりあえず、うちの高校の生徒だってことは分かってるし、住所が書いてある紙もあるから今日中に依頼を達成できるだろう。

 二人と一匹はかぶとさん家を目指し始める。

 無事に辿たどり着けるといいね。

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