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ペルシャ猫

 猫探し、始まりました。


「お兄ちゃん、猫の特徴を教えて」


「おう。えーっと、毛の色は白で目はオッドアイのペルシャ猫……だそうだぞ」


 ペルシャ猫……。たしか毛の色が白だとひとみの色がオッドアイとブルーアイとカッパーアイになるんだっけ?

 ん? カッパーって何だっけ?


「そっかー。ところでお兄ちゃん」


「ん? なんだ?」


 あっ、でも、お兄ちゃんって猫に詳しくなかったような。

 まあ、いいや。一応、いてみよう。


「猫の瞳の色でカッパーアイっていうのがあるんだけど、どんな色か分かる?」


「うーん、それはたしか銅みたいな色だったかな? 赤茶色の方が分かりやすいかな」


 そっかー。赤茶色か……。覚えておこう。


「へえ、そうなんだー。よく知ってたね」


「うーん、まあ、うちにも猫が一匹いるからな。時々調べてるんだよ」


 それは初耳だねー。

 今度、一緒に猫カフェに……って、今は猫探しに集中しないといけないよね!!

 夏樹なつき雅人まさとの実の妹)は両頬をペチペチ叩く。

 雅人まさとはその行動の意味を理解しようとしたが、気合いを入れたのかな? というところでそれについて考えるのをやめた。

 二人は校外に出て、路地裏や公園などを見て回ったがそれらしき猫を見つけることはできなかった。

 夕日がまぶしい。早く家に帰れと催促されているような気がしてきた。


「なあ、夏樹なつき。今日はこの辺で終わらせた方がいいんじゃないか?」


「うーん、それもそうだね」


 二人が家に向かって歩き始めた、その時。


「ニャー」


「……ん? な、なあ、夏樹なつき。今のって」


 毛の色が白で目がオッドアイのペルシャが交差点の方に向かっている。


「ビンゴだよ! 追いかけよう! お兄ちゃん!!」


「おう!!」


 二人が走り始める。

 猫はトテトテ走っている。

 このままだと車にかれてしまう。

 どうする? どうすればいい?


夏樹なつき! 僕を猫めがけて投げてくれ!」


「え!? そ、そんなことできないよ! 危ないよ!」


 僕は鬼の力を宿しているから大丈夫……なはずだ。

 車にかれたくらいじゃ死なないよ。


「僕は普通の人間じゃないから大丈夫だ。だから、頼む! お前の力が必要なんだ!!」


「……分かった。でも、死んだら許さないからね」


 夏樹なつきは黒い長髪で僕の体を拘束する。


「ああ、約束だ。必ず帰ってくるよ」


「よおし、それじゃあ、行くよー!」


 夏樹なつきは僕を猫めがけて投げつける。

 トラックが猫をきかけている。

 間に合うか? いや、間に合わせる!!


「一日三分限定! 鬼の力を解放する!!」


 僕の全身に霊力があふれ始める。

 これなら、いける!!


「間に合えええええええええええええええええ!!」

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