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スタート

 そ、そんなに臨死体験をしないといけないのか?

 ……というのは冗談で。

 はぁ!? お前、なんか僕で遊んでないか!?

 真っ暗な空間で雅人まさと鬼姫ききは話している。

 鬼の力を制御できるようになるには、どうしたらいいのか。ということについて。

 別に遊んでなんかないわよ。例えばの話よ。

 そ、そうなのか? なら、僕はいったい何をすればいいんだ?

 うーん、そうねー。地獄で修行でもする?

 いや、僕まだ生きてるから地獄には行きたくないというか、なんというか。

 えー、そうかなー? あたしにとってはリゾートみたいなものなんだけど。

 お前な……。

 だって、三途の川を小舟で渡ってる時はゴンドラに乗って観光してるみたいで楽しいし、血の池地獄はプールだし、釜茹で地獄は温泉だし……。

 もういい。お前にとって地獄は天国みたいだってことはよく分かったから。

 あら、そう? もっと話したいことあるのにー。

 もうお腹いっぱいだからいいよ。それで? 僕はいったい何をすれば鬼の力を制御できるようになるんだ?

 うーん、そうねー。あたしと戦って、勝てたら制御できるようになるかもしれないわねー。

 え? それは鬼の力なしでか?

 当たり前じゃない。でも、安心して。言霊ことだまの力は使わないから。

 いや、ちょっと待て。ここで死んだら、僕はどうなるんだ?

 死なないわよ。あたしが死なない限りは。

 そ、そうか。ここでもそれは適用されるのか。

 よし、分かった。じゃあ、さっそく始めようか。

 え? 今から?

 当たり前だ。さぁ、来い!

 えー、面倒だなー。まあ、いいけど!!

 ……っ!?

 はい、あたしの勝ちー。

 な、何をされたのかまったく分からなかった。えっと、鬼姫ききが一瞬で僕の目の前まで移動して……。

 そのあと、あんたの心臓と頭を数回、粉々にしたから少なくとも五回以上は死んでるわね。

 な、なんてこった。僕はこんなにも無力だったのか。

 当たり前じゃない。だって妖怪が人間に負ける原因の九割以上は舐めプなのよ? 本気のあたしにあんたが勝てるわけないじゃない。

 そ、そうか。なら、お前の体力が尽きるまでねばってやるよ!

 それ、本気で言ってるの?

 ああ、本気だ。さぁ、来い!

 諦めが悪いのは父親にそっくりね。

 え? 今、なんか言ったか?

 ううん、なんでもないわ。それじゃあ、行くわよ!

 おう!

 こうして雅人まさとの修行がスタートした。

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