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逆五芒星
学校の時計だけ五分遅れている。
昼休みになると生徒・職員の精神年齢が五歳くらいになった。
会長が四つ葉のクローバーを探していると五つ葉しかないことに気づいた。
「なるほど。どうやら校内で起こっている奇妙な現象を引き起こしている犯人は『五』という数字に関係があるようだね」
「そうみたいですね。でも、どうして『五』なんでしょうか」
生徒会長の『飛美濃 覚』と雅人は、うーんと唸る。
「三や四なら、まだ分かりやすいのだがな」
「ですね。今、パッと思いつくのは魔除けに使われている五芒星くらいですかね」
ん? 待てよ?
たしか、それを反転させると『逆五芒星』に……。
「……会長」
「言われなくても分かるよ。君はこの現象に『逆五芒星』が関わっていて、犯人はそれに『五』という数字に関わるもの全てに何らかの異常が発生するよう仕向けた可能性があると言いたいんだろう?」
はい、その通りですと言わんばかりに彼はコクリと頷く。
「まあ、とりあえず校内に不審者がいないかどうか見てみよう」
「はい」
彼女が指をパチンと鳴らすと、校内の監視カメラの映像が映し出された。




