表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
222/1936

公園

 風の神様、どこにいるのかなー。


「なあ、童子わらこ。今、この町の風の神様はどこにいるんだ?」


「公園にいます」


 は?


雅人まさとさんもよく知っている公園にいます」


「え? それは本当なのか?」


 座敷童子の童子わらこはコクリとうなずく。


「なんでそんなところにいるんだ? 誘拐犯の心理がこれっぽっちも分からないぞ?」


雅人まさとさん、あなたの友人に風を操れる妖怪がいますよね?」


 そんなやつ、うちのクラスにはいないな。

 他のクラスか? もしくは他学年か?


「まあ、それはこれから分かりますよ。彼女の居場所は私が彼女のところに遊びに行った際に私が彼女の体内に入れた髪の毛のおかげでそれが分かります」


「お前、神様になんてことを……」


 いや、待てよ。

 童子わらこはいつかこんな日が来ることが分かってたんじゃないのか?


「向こうは私のことを親友だと思っています。その証拠に私の体内にも彼女の髪の毛があります」


「なんか指輪みたいだな」


 もしくはミサンガ的な何かだな。


「まあ、昔のことは帰ってからゆっくり話しましょう。今は彼女を助け出さなければなりません」


「そうだな。よし、じゃあ、急いで公園まで向かうぞ」


 彼がその場から走り出そうとすると、童子わらこは彼の手首をつかんだ。


「闇雲に突撃しないでください。というか、今回は私の指示に従ってください」


「それは別に構わないけど、誘拐犯はそんなに危険なやつなのか?」


 彼女は彼の手を握る。


雅人まさとさん」


「なんだ?」


 彼女は彼の顔を見つめる。


「思わず目を背けたくなるような真実を知ってしまっても、彼女を助けることに協力してくれますか?」


「なんだよ、それ。僕はお前が思ってるほど、臆病じゃないぞ。だから、早く助けに行こう」


 彼女は「はい……分かりました」と言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ