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漬け物石

 生き物が近づくと突風を起こす不思議な竜巻。

 それがいつ、どのようにして発生したのかをはっきりさせるため、雅人まさとはその竜巻を観察していた。


「うーん、とりあえず、石でも投げてみようかな」


 雅人まさとがその辺にあった石を竜巻に向かって投げると、それは竜巻を貫通した。


「やっぱり生き物以外は近づけるんだな。でも、なんでだ? 普通、建物とか壊した方が被害は大きくなるのに」


「それはたしかにそうだけど、建物の中に入れないようにしているっていうことは用事があるのに、その場所に行けないっていうことだから、この状況が続くと日本の経済が回らなくなるよ?」


 赤い折り鶴から夏樹なつき雅人まさとの実の妹)の声が聞こえる。

 僕が家に携帯電話を置いてきたせいで僕と連絡する手段がないことに気づいた夏樹なつきがそれを操って僕のところまで飛ばしてきたのだ。


「それは困るな。でも、それなら地下とかに会社を作って……いや、無理だな。仮にそれが可能だとしても、この現象が続いている限り竜巻をなんとかしようっていう方に気が行くからしばらくこのままだろうな」


「せめて竜巻を破壊できればいいんだけどねー」


 風を破壊できればいい。

 そんなことできるのは破壊系の能力を持った存在くらいだろう。

 残念ながら、僕はそういう存在じゃない。

 けど、その分、頭を使えばいいんだ。

 人はそうやって、目の前の問題を解決してきたんだから。


「大きな石でこいつを停止させてみるか」


「え? そんなことできるの?」


 生き物が近づかなければ小石も貫通できるほどの風力しかない竜巻だ。

 大きな石なら、ほぼ確実に停止できる。


「多分な。よし、そうと分かれば、うちから漬け物石を持ってこよう」


「こんなこともあろうかとー」


 座敷童子の童子わらこが突如、僕の目の前に現れた。


「お前、いつ起きたんだ?」


「あなたの幼馴染がうちにやってきた時からです」


 結構、前だな。


「そうか。おっ、漬け物石持ってきてくれたのか。ありがとな。助かるよ」


「いえいえ、どういたしまして」


 彼は彼女から漬け物石を受け取る。

 その後、彼はそれを竜巻に向かって投げた。

 さて、いったいどうなるのかな?

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