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1946/1946

火の神、再誕

 ある日、火の神が再誕した。彼は父の肉体を自身の火で作った剣で切り刻むと黄泉の国へ向かった。


「おー! 坊や! ついにアレを倒しましたか!」


「……あー」


「これでようやく【面倒な作業】から解放されます。ねえ、坊や。何か欲しいものはありますか?」


 彼は母に理解できる言語で自分の欲しいものを伝えた。


「……つよいものとたたかい、かちたいです」


「なるほど。では、腕に自信のある神々を集めましょう」


「ひつようありません。それはにんげんかいにいますから」


「そうですか。では、その者の名を教えてください」


「……この星の王『山本やまもと 雅人まさと』です」


「……坊や、やめておきなさい。今のあなたが勝てる相手ではありません」


「でしょうね。なので私は今から強くなります。母上、地獄の炎を少しいただけませんか?」


「それはもちろん構いませんが人間界に持ち出すのはダメですよ」


「そんなことはしませんよ。ただ再現するだけです」


「……分かりました。では、少し待っていてください」


「はい」


 彼は母が持ってきた地獄の炎を自分の火で再現するとそれを地獄にいる亡者たちに投げつけた。


「あらあら、大変。坊やの火の玉に当たった亡者たちが燃えています。どうしましょう。うーん……まあ、鬼たちがなんとかしてくれるでしょう」


「母上、食事と書物を持ってきてください。ある程度成長しないと人間界に行った時困りますから」


「分かりました」


 それから数日後、彼は十代半ばくらいまで成長した。


「坊や、行くのですか?」


「はい」


「勝てそうですか?」


「それはやってみないと分かりません」


「そうですか……」


「母上、私にできるのは私の全てをぶつける、ただそれだけです。それができれば悔いはありません」


「それすらできないかもしれませんよ?」


「もしそうなってもきっと私は笑っていると思います。自分と同等かそれ以上の強者と戦えたのですから」


「坊や……」


「それでは、そろそろ行って参ります」


「いってらっしゃい、私のかわいい坊や」


「はい!!」


 期待と不安を胸に火の神は人間界に向かった。


 *


「はじめまして『火野ひの 迦具土かぐつち』です! 星の王と戦いたくて再誕しました!!」


 彼の開口一番がそれだった。彼が再誕することは知っていたが入学までする必要あるのか?


「それで誰が雅人まさとなんだ? 君か? それとも君か?」


 分かってるくせに。


「僕だよ」


「だよね! あとは雑魚ばっかりだもん!!」


 あまり僕のクラスの人や妖怪たちを刺激しないでほしいんだが。


迦具土かぐつち、とりあえず放課後までおとなしくできるか?」


「放課後になったら戦ってくれるのか?」


「ああ」


「やったー! 約束だぞ! 破ったらこいつら全員燃やすからな!!」


「あー、はいはい、分かった分かった。とりあえず自分の席に着け」


「おう!!」


 はぁ……今日は夏樹なつき(僕たちの妹)と一緒に広場でゆっくり過ごす約束があるから一瞬で倒さないと夏樹なつき拗ねちゃうよー。

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