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1934/1936

無職と死神と星の王

 無職歴三年の男が散歩をしていると道端にカードらしき物が落ちているのを発見した。


「なんだ? これ。あー、キャッシュカードかー」


 死神銀行って書いてある。そんな銀行このへんにあったかなー? まあ、いいか。交番に届けよう。


「あれー? このへんにあるはずの交番がないぞー。どうしよう」


 仕方ない。今日はうちに帰ろう。


「あれ? このへんにあるはずのアパートがない。それに電柱や駐車場、コンビニもない! どうなってるんだ?」


「おい、そこの無職」


「はい、無職です」


「それはオレが落としたんだ。早く返してくれ」


「ん? あー、これか。はい」


「ありがとよ。じゃあ、オレはこれで」


「ちょっと待ったー!」


「なんだ?」


「明らかに町並みが変わってるから家に帰れないんだ! 助けてくれ!!」


「安心しろ。オレがここからいなくなれば、そのうち見慣れた建物が現れる」


「ほ、本当か?」


「こういう時、死神は嘘をつかない。それと明日は外に出ない方がいいぞ」


「お、おう、分かった」


 今こいつ、死神って言わなかったか?


「じゃあな、無職」


「お、おう」


 その後、徐々に見慣れた建物が見え始めた。


「よかった! これで家に帰れる」


 次の日、俺は外に出なかった。その日の夜、近くのコンビニにトラックが突っ込んだ。いつも通りそこで立ち読みをしていたらおそらく俺は死んでいただろう。そうだ! この話を漫画にしよう! 死神に命を救われたやつなんてそんなにいないだろうからきっとヒットするぞー!!


「死幣を引き出される前に見つけられてよかったね」


 星の王か。


「そうだな」


「子孫を助けられてよかったね」


「ああ。だが明日から謹慎だ」


「だろうねー」


「なあ、しばらくオレの遊び相手になってくれないか?」


「いいよ。何して遊ぶ?」


「そうだな……久しぶりにモ○ハンでもやるか」


「いいね! やろう! やろう!」


「ああ。それじゃあ、また明日」


「うん! またね!」

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