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災厄と伝書鳩とメリケンサック

 暗雲の中で二頭の龍がケンカをしている。今日は出かけない方がいいな。ベランダに鳩が一羽いる。それはくちばしで窓を軽くノックしている。


「どうした? あー、伝書鳩か。ご苦労様」


 僕が伝書鳩の足に結んである手紙を受け取るとそれはどこかに飛んでいった。


「えーっと……星の王へ、どうか二頭の龍のケンカを止めてください。天女より」


「お義兄にいちゃん、この依頼無視しようよ」


「なんでだ?」


「天界のトラブルだからだよ」


「でも、このままだと地上に被害が出るかもしれないぞ」


「なんでもかんでもお義兄にいちゃんが解決する必要ないよ。うちはなんでも屋じゃないんだから」


「まあ、そうだな。でも、空が騒がしいとみんな不安になるからサクッと片付けてくるよ」


「そっか……じゃあ、私も行く」


「相手は龍だ。手加減するんだぞ」


「はーい」


 夏樹なつき(僕たちの妹)は自分の霊力で作ったメリケンサックで龍たちをボコボコにしようとしていたがそれを知った龍たちは戦意喪失。僕の背後に隠れ互いの身を守るように抱き合っている。


「ねえ、ケンカの続きしないの? しようよ」


夏樹なつき、顔が怖いぞ」


「そうなの?」


「ああ」


「そっかー。じゃあ、今日は何もせずに帰ろうかなー」


「よかったな、見逃してくれるみたいだぞ」


『あ、ありがとうございます! もうケンカはしません!』


「本当かなー?」


『はい! 本当です! 信じてください!!』


「そっかー。じゃあ、もう行っていいよ」


『は、はい! では、失礼します!!』


「……行ったな」


「そうだねー」


「よし、じゃあ帰るか」


「うん!!」

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