表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1932/1935

欲 妖怪ないものねだり、登場

 ああ……あれも欲しい。これも欲しい。もっと、もっと、もっと欲しい……!!


「よこせー! もっとよこせー!」


 妖怪ないものねだりは欲張りだ。しかし、他人から奪った物は全て背中にある小さな穴から出ていってしまう。故に彼は一生満たされない。


「ああ、今日も何も得られなかった。どうしてボクはいつもこうなんだろう」


「やあ、ないものねだり。どうしたんだい?」


雅人まさとー、今日も腹ペコだよー。助けてー」


「そうか。じゃあ、うちで作ってるハチミツをあげよう」


「ハチミツかー。砂糖とか混じってない?」


「うちはそんなことしないよ」


「そっか。じゃあ、いただきます」


 彼は小さじ一杯に注がれた黄金の液体を少しずつ飲んでいる。


「どうだ?」


「おいちい」


「そうかそうか。それはよかった」


「毎日ハチミツでもいいくらいだよ」


「毎日食べればいいじゃないか」


「え?」


「朝起きた時、三時のおやつ、晩ごはんのデザート。ハチミツはいつ食べても僕たちを幸せにしてくれるから毎日食べても問題ないよ」


「そうなの?」


「うん、そうだよ。ただし、赤ちゃんにあげちゃダメだよ」


「どうして?」


「うまく分解できないからだよ」


「そっかー。ありがとう、なんか気が楽になったよ」


「それはよかった」


「じゃあ、ボクそろそろ行くね」


「ああ、またな、ないものねだり」


「うん!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ