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鬼憑き

 風呂上がり。


雅人まさとさん、少しよろしいですか?」


「ん? あー、まあ、いいけど」


 雅人まさとがリビングにやってくると、童子わらこは彼の元にスススーッと歩み寄った。


「ありがとうございます。では、まずソファに座ってください」


「お、おう」


 彼がソファに腰掛けると、彼女は当然のように彼の太ももの上に座った。


「おい、そこはお前のものじゃないぞ?」


「い、一応、私たちは付き合っているのですから、これくらいしてもバチは当たらないと思うのですが」


 そうか。座りたかったのか。

 それならそうと言ってくれればいいのに。

 あー! どうして私は素直になれないのですか!

 私のバカ! バカ! バカ!


「はいはい。それで? 僕に何の用だ? もう寝たいんだけど」


明日あす、あなたは鬼憑きと接触します。その際に起こりることがあるので、それを今伝えておきます」


 それを伝えるために、僕が風呂から上がるのを待っていたのか。


「分かった」


「あなたの体の中にいる鬼が鬼憑きと接触することによって暴走する可能性があります。もし、その兆候があったらできるだけ早く私に伝えてください」


 暴走……ね。


「了解。じゃあ、おやすみ」


「話はまだ終わっていませんよ。というか、私の目をちゃんと見てください」


 構ってほしいのかな?

 いや、違うな。


「すまない。でも、今日はもう寝たいんだ。それはいつ頃、終わる予定なんだ?」


「すぐ終わります。何も言わずに、その場で静止してください」


 ん? この流れ、まさか……。


「め、目は閉じなくていいのか?」


「構いません」


 え?


「え、えっと、その……まだ心の準備が」


「何を言っているのですか? あなたがまた鬼姫ききに操られないようにするだけですよ?」


 あー、そういうことか。


「なるほど。理解した。じゃあ、よろしく頼む」


「はい」


 彼女は彼の首筋に人差し指で『守護』と書いた。


「終わりました」


「そう……か。それじゃ……おや、すみ」


 彼は自室に行く前にその場で眠ってしまった。


「今日はなかなかハードな一日でしたからね。無理もありません」


 彼女は自分と雅人まさとしかいないことを確認すると、彼の頬に優しくキスをした。


「おやすみなさい、雅人まさとさん」

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