表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1929/1935

エターナルエンドロール使い

 最近、幸せな人の視界に終わらないエンドロールを流し、その人を不快にさせる『エターナルエンドロール使い』が出るらしい。


「地味な能力だがそこそこ使える能力だな、これは」


「君は今、幸せか?」


「ああ、幸せだ。他人の不幸はいつ見ても心地いい」


「じゃあ、僕も君に同じことをしていいよね?」


「同じことだと?」


「ああ、そうだ。君の視界に終わらないエンドロールを流して困っている君の姿を見ながらスキップする。それが君の日常……だろ?」


「これは俺だけに与えられた特別な力だ! 誰にもマネできない!!」


「じゃあ、試してみるか?」


「偽物に負ける俺ではない! くらえ! エターナル」


「『エターナルエンドロール』」


「うわあああああ! くそ! なぜだ! なぜお前は俺と同じ力を持っているんだ!!」


「僕は君の力をコピーしただけだよ。さぁ、どうする? みんなを元に戻すか? それとも一生そのままがいいか?」


「も、戻す! 戻すからこれをなんとかしてくれー!」


「その前にみんなを元に戻してくれないかな?」


「わ、分かった! 能力解除!!」


 よし、被害者たちの不幸メーターが下がり始めた。どうやら能力を解除してくれたみたいだ。


「よし、じゃあ、僕も能力を解除しよう。能力解除」


「ふぅ……やっと解放された」


「君の力は使い方次第で人の役に立つ。まあ、いきなりそんなこと言われても困るだろうから、まずはこの人がいる家に行くといいよ」


「なんだ? このおっさん。目が死んでるぞ」


「この人は常に視界に文字がないと頭が変になるんだよ」


「だからこんな顔してるのか。よし、俺の能力でこいつを救ってやろう」


「その調子だ。もう今回みたいなことするなよ」


「おう、分かった! じゃあ、またな!」


「ああ、また」


「……お義兄にいちゃん、終わった? 早く帰ろう」


「そうだな、そうしよう」


 僕たちは広場にいるハトたちが飛び立ってからその場を後にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ