シンメトリー使いとアシンメトリー使い
現在、道の真ん中で万物を対称にしてしまう力を持っている『シンメトリー使い』と万物を非対称にしてしまう力を持っている『アシンメトリー使い』がケンカをしている。
「何度言えば分かるんだ! 万物は対称であるべきだ!!」
「いいや! 万物は非対称であるべきだ!!」
「なんだとー!!」
「なんだよ!!」
「おっ、兄弟ゲンカか」
「だねー」
「なあ! そこの兄妹! 万物は対称であるべきだよな!!」
「いやいや! 万物は非対称であるべきだ!!」
「どう思う? 夏樹」
「私はお義兄ちゃん以外どうでもいいよ」
『なん……だと?』
「あっ、ちなみに僕は不完全なものが好きだよ」
『不完全なものだと? そんなものはこの世に必要ない!!』
「は? あんたたち何言ってんの? 死にたいの?」
『うるさい! これでもくらえ!!』
「『シンメトリー光線』!」
「『アシンメトリー光線』!」
カッチーン。よし、こいつら一発ずつ殴ろう。
「『髪凸』!!」
夏樹(僕たちの妹)の黒い長髪が光線に触れると光線は消滅。その後、拳の形になった髪が兄弟の腹部に直撃した。
『グオッ!?』
「死にたくなかったら前言撤回して」
『え?』
「早くしないと死んじゃうよー。はい、三秒前ー。三、二、一……」
『す、すみませんでしたー! あんなこともう二度と言いませーん!!』
「よろしい。でも、許すのは今回だけ。次同じことしたら社会的に殺すから。分かった?」
『は、はいー!!』
「ふぅ、やっと終わった。行こう、お義兄ちゃん」
「ああ」




