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穴 チタンアナゴ登場

 最近、公園の砂場や校庭に小さな穴があるなー。何かいるのかなー?


「こんにちは」


「なあんだ、チタンアナゴか」


「星の王、あなたに頼みがあります」


「なんだ?」


「オカウミヘビが最近大量発生しているんです。なんとかしてください」


「そうか。分かった。調べてみるよ」


「ありがとうございます」


 チタンアナゴはそう言うと公園の砂場に身を潜めた。


「検索。この町にいるオカウミヘビの生体反応。山から町に降りてきてるな。よし、山に行ってみよう」


「私も行く」


「おー、夏樹なつきか。これから山に行くんだが一緒に行くか?」


「うん」


「そうか。じゃあ、一緒に行こう」


「うん」


 山中からガソリンと火薬のにおいがする。においは山頂付近から漂っているな。


「お義兄にいちゃん、オカウミヘビに囲まれてるよ」


「大丈夫。僕たちの周囲には『幻覚結界』があるから僕たちのことを天敵だと思ってる」


「そっか。なら、安心だね」


「ああ」


 山頂付近にある山小屋の窓からオカウミヘビたちが続々と外に出ていく。山小屋に人間の生体反応あり。いったい誰がこんなことを……。


「ふぉふぉふぉ! ゆけ! オカウミヘビども! チタンアナゴを根絶やしにするのだー!!」


「チタンアナゴがいなくなったら誰が得をするんだ?」


「わしじゃよ! アレが国内からいなくなれば『オカウミヘビ製造機』は正式に軍に配備される。その後、他国にも売り出す予定じゃからわしはもうすぐ大金持ちになれるのじゃー!!」


「そうか。じゃあ、今すぐその機械を破壊しよう」


「させるかー! ゆけ! オカウミヘビども! やつの体をバラバラにしろー!! ん? どうした? オカウミヘビども。わしの言うことを聞けー!!」


「オカウミヘビはそこそこ頭がいい。同族を増やしてくれるあんたのことは好きだが自分がやりたくない命令は一切聞かない」


「そんなことあってたまるか! オカウミヘビども! わしの言うことを聞けー!!」


「オカウミヘビたち。君たちに世界をいくつかあげるからその機械を持って僕についてきてくれないか?」


『わー!』


「こ、こら! 待て! 行くな! 戻ってこーい!!」


「あんたは頭はいいがそれだけだな。違う視点から見ようとしないから生き物に利用されるんだよ」


「ま、待て。わしはこれからどうすればいい?」


「妖怪研究所にでも行けばいいんじゃないか?」


「わ、分かった」


 こうして事件は解決した。その後、あのじいさんは河童の塗り薬の下位互換を作り、有名になった。


「星の王、あなたのおかげで私たちは山に帰れそうです」


「そうか。それはよかった」


「これはお礼です。受け取ってください」


「これは……精力剤か?」


「はい。飲めば全身の細胞が元気になりますよ」


「そうか。ありがとう」


「どういたしまして。では、私はこれで」


「ああ」

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