玉石同砕団
最近、おかしな団体が何かしているらしい。
「我ら玉石同砕団はこの世の全てを滅ぼすまで生き続ける! 何をしようと我らの歩みは止まらない! 皆の者! この町を壊してしまえー!!」
『わー!!』
「ねえ、君たち。そんなことしていいと思ってるの?」
「だ、誰だ!」
「この近くにある高校に通っている者だ」
「そうか。では、とりあえずお前を滅ぼしてやる!」
「その前に一つ質問させてくれないかな?」
「なんだ? 早く言え」
「君たちのリーダーは誰なの?」
「エンブレム様だ!」
「ふーん。それで? その人は今どこにいるの?」
「居場所は誰も知らない。だが今もネットの海で漂流しておられる」
「そうか。ありがとう」
「うむ。では、さらばだ! 少年!!」
「『バラバラ結界』」
「うわー! な、なんだ! これはー!? 体がバラバラにー! ん? でも、それ以外はなんともないな」
「触れると体がバラバラになるだけの結界だからね。えーっと、エンブレムの居場所は……あれ? おかしいな。うちにいるって結果が出たぞ。うーん、もしかするとあいつの仕業かもしれないなー」
僕は体がバラバラになった団員たちを無人島に送ると帰宅した。
「おい、ブレイン」
「なあに?」
「エンブレム様ってお前のことだろ」
「うん、そうだよー」
「やっぱりそうか。で? 何なんだ? あの連中は」
「捨て駒だよ」
「言い方がストレートすぎるな」
「捨て駒募集したら来たからねー、そうとしか言いようがないよー」
「あんな連中に世界をどうにかできると思うか?」
「この世界は病んでるからね、一度浄化しないといけないんだよ」
イ○リートのことをモンスターとか言ってそうなやつのセリフだな。
「ブレイン、この世は玉石混淆だ。いいやつもいれば悪いやつもいる。どちらもゼロになる日が来るのはもう少し先だからそれまで辛抱してくれ」
「はじめから始めればいいんだよ」
「ブレイン、この世界はゲームじゃないぞ」
「ゲームだよ。誰かが全部決めてるんだよ」
「だとしたらどうする?」
「それは全部滅ぼしてから考えるよ」
「落ち着け、ブレイン。とりあえず何か食べよう。な?」
「……パフェリーチェ食べたい」
「分かった。今から作るからちょっと待ってろ」
「うん」
パフェリーチェを食べたブレインはおいしいものがある間は世界を滅ぼさないと約束してくれた。ふぅ、よかったよかった。




