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NPCをやめない限り君は一生そのままだよ

 いつからだったかな……戦って死ねが働いて死ねに変わったのは……。月月火水木金金、そんなに働いても給料は誰かに決められているからだいたいの人は国家予算並みの大金を得られず事切れる。


「それで? 君はこれからどうしたいの?」


 部室には僕とうちの高校の男子生徒しかいない。まあ、天井に張り付いているやつが約一名いるが。


「どうしたいんでしょうね」


「うちの部……というか僕宛てに手紙を書いて回収ボックスにそれを入れたのは君だよね?」


「はい」


「現状に満足していないから君はこうして時間通りにこの部屋に来た。そうだろう?」


「はい」


「よし、じゃあ、さっさと問題を解決しよう。今のバイトやめたいんだろう?」


「はい」


「じゃあ、今すぐ退職の手続きを……」


「親の借金があるんです……」


「知ってるよ」


「両親は俺と妹を置いて海外に逃げました」


「知ってるよ」


「妹は体が弱くて働けません。俺がバイトをやめたら俺たちは生きていけません」


「それも知ってる。あと君の職場のことも知ってる。アレはダメだ。君が本来受け取るはずの給料の半分が会社に行くようになってる。表向きは君が会社の備品を壊したことになってるから何の問題もないのが辛いね」


「どうにかなりますか?」


「今どうにかした」


「え?」


「問題はたった今解決した。悪事の証拠を集めたり、会社の方に行ってた君の給料がちゃんと君の口座に振り込まれるようにしたり、君の両親の居場所を突き止めていつでも君と会えるようにしたり、まあ色々あるけど、あとは君次第だね」


「お、俺は……」


「後輩、君はいつまでNPCでいるつもりなんだ?」


「え?」


「NPCをやめない限り君は一生そのままだよ。自分の生き方を他人に委ねるのはもうやめなよ。君にはかわいい妹さんがいるんだからそれだけで勝ち組だよ」


「先輩……最後のシスコン成分多かったです」


「そう? だって僕の……いや、僕たちの妹、今も天井にいるんだよ? かわいくないか?」


「そ、そうですね。えっと、じゃあ、俺バイトやめます」


「よく言った! えーっと、今回は会社都合になるかなー。あっ、君は制服とか保険証とかとにかく会社に返すものをまとめておいてくれ。それ以外の面倒なことは僕と会社の人たちでやるから」


「分かりました。じゃあ、お願いします」


「ああ! 任せとけ!!」

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