怪人ポテンシャルドネー、現る
最近、居酒屋に怪人が出現するらしい。
「も、もうダメ……」
「よし! また俺の勝ち! ということで、ここの勘定よろしく!」
「ふ、ふぇー」
「こんばんは」
「げっ! 星の王! なぜ俺がここにいると分かったんだ?」
「フェンリルがこのへんから怪人の匂いがするって言ってたから少し探してみただけだ。さぁ、もうこんなことはやめるんだ」
「嫌だね! 俺は酒合戦が好きなんだ! それをやめちまったら俺が俺じゃなくなるんだよ! じゃあ、またな!!」
「待て! 逃げるな!!」
「やなこった! 逃げるが勝ちだ!!」
「お兄ちゃん、聞こえるー?」
「んー? あー、なんだ、ブレインか」
「そいつはビギナーフォームじゃ倒せないよー」
「そうか。ということはこいつを倒すにはキーワードが必要なんだな」
「うん、そうだよー」
「で? 今回のキーワードは何なんだ?」
「それはねー……」
「分かった」
僕はベルトのボタンを押す。
「イリュージョンターイム!!」
「キーワードプリーズ! キーワードプリーズ!」
「チェイサー」
「リアリー?」
「イエス」
「オーケー! レッツエンジョイ!!」
「『纏身』!!」
「ラジャー! 千山万水! 知者楽水! 行雲流水!」
ベルトから水が噴射。それは僕の全身を包み込んだ。
「これが覆面ガーディアンイリュージョンのチェイサーフォームか」
「うん、そうだよー」
「このフォームならあの怪人に追いつけるのか?」
「うん!」
「本当か? 嘘だったらほっぺたムニムニするぞ」
「嘘じゃないよー、本当だよー」
「そうか。じゃあ、行くか」




