〇〇がいない世界
朝、目が覚めると別の世界にいた。うーん、なんだろう。この違和感。この世界には何かが欠けているような気がする。僕が近くのコンビニに行くとそこにあるはずのものがなかった。
「……証明写真機がない。ということは」
この世界にはあの人がいない。あの人がいないということは妖獣やアーサムマンもいない。もちろん昭和百年映画祭で上映されるはずの作品もこの世界にはない。
「うーん……この世界は僕に何をしてほしいんだろう」
「お義兄ちゃん、早く帰ろう」
「夏樹、ちょっと待ってくれ。多分何かヒントがあるはずだから」
「誰かが『ど○さいスイッチ』使ったんじゃないの?」
「アレは一人消しても別の誰かが消えた人と似たような人になるから世界はそんなに変わらないんだよ」
「じゃあ、早死にしたんじゃないの?」
「そうか。ということは少し過去に戻ればなんとかなるかもしれないな」
「お義兄ちゃんがそこまでする必要ある?」
「この世界に呼ばれたってことは多分この世界は僕になんとかしてほしいんだよ」
「そっか。じゃあ、私も一緒に行く」
「ああ、いいぞ。じゃあ、行くか」
「うん!」
僕たちは少し過去に戻り、交通事故を未然に防いだ。その直後、僕たちは元の世界に戻った。




