集結! 猛獣闘士アニマーレ!!
最近の特撮ヒーローはどんな感じなんだろう。一応、履修しておくか。僕はレンタルビデオ店で前の年の特撮ヒーロー作品をいくつか借りた。
「猛獣闘士アニマーレか。作品タイトルにジャー、レンジャー、マン、それと鮮隊も入ってないな」
「宇宙からやってきた侵略者たちの猛襲によって地球上の生物のほとんどが絶滅してしまった」
序盤から大ピンチなんだが……。
「しかし、平和を愛する友好的な宇宙人たちが人類に希望の光をもたらした」
うーん、なーんか引っかかるなー。
「それは猛獣の魂が込められたアニマーレギアだった。アニマーレギアは瞬時に適格者の元へ向かい、彼らがどんな状態であろうと闘士に変え、侵略者たちに対抗できるようにした。さぁ、闘士たちよ! 直ちに集結せよ!」
どんな状態であろうと……か。あっ、オープニングだ。
「ある日突然やってきた闇のぐーんだーん。やつらはぼくらの住処を踏みにーじーる。絶滅寸前、大ピンチ、もうすぐ地球はおしまいだー。ピーンチはチャーンス、おーおきーなー、おーたけびー、あらがえ! ぼ・く・ら・の! アニマーレ!!」
『猛獣闘士アニマーレ!!』
うわあ、すごい爆発。あれ? これ、何人いるんだ?
「第一話。集結! 猛獣闘士アニマーレ!!」
「はっはっはー! 環境破壊は楽しいなー! ソルジャーンたちよ、もっとこの星をめちゃめちゃにするのだー!」
大きなインコだなー。名前は……破壊鳥ハカインコか。
「そこまでだ! シンリャーク軍!!」
「ん? 誰だ?」
「モウジュウレッドだー!」
「ひえー! 名乗りながら攻撃してきたー! ソルジャーンたちよ、早くあいつをやっつけろー!」
『ソルソルー!』
モウジュウレッドは単独で戦闘員を全員片付けた。
「残るはお前だけだな!」
「く、くそー! こうなったら……来い! シンリャークロボ!」
「な、なにー!?」
まだやられてないのに敵が巨大ロボを呼ぶのか。
「はっはっはー! 踏み潰してやるー!」
「うわぁあああああああああああああああああ!!」
「ニャー!!」
「あーれー」
巨大な赤い猫が敵のロボに体当たりした。敵のロボは頭から地面に突き刺さった。
「あっ! お前! さっき火山に落ちた俺を助けてくれた猫か!!」
火山に落ちた?
「ニャー」
「そうか。あの時の猫か。ありがとな」
『おーい!』
「おっ、なんかたくさん来たぞ。敵かな?」
「待て待て! 銃口をこっちに向けるな! 俺たちは仲間だ!」
「そうなのか。えーっと、白、黒、青、黄、黄緑、桃色、水色、灰色、紫、オレンジ、紺、金、銀、銅、焦茶、それからなんか他の色が混ざってるやつもいるな。
「今の地球には人と猫しかいないからな。それ以外は絶滅した。だから俺たちに力を貸してくれるのは全員猫だ。そして俺たち猛獣闘士は猫の品種の数だけいる。
「品種かー。なあ、ブルー。ちなみに俺を助けてくれたこいつの品種は何なんだ?」
「分からない」
「え?」
「俺は今までいろんなペットショップや動物園を見てきたが地球上に常に燃えている猫なんていない」
「そうなのか……じゃあ、スカーレッドにしよう」
「赤いからか」
「ああ!」
「よっと! ふぅ……やっと抜けたー。あれ? なんか増えてるな。まあ、いい! 突撃ー!!」
あっ、敵のロボやっと動けるようになった。
「スカーレッド! 俺を乗せてくれー!」
「ニャー」
「うわあ! 違う違う! 俺を食べるんじゃなーい!」
「落ち着け、レッド。コックピットはそいつの喉の奥だ」
「そうなのか。サンキュー! ブルー! さぁ! 来い! スカーレッド!」
「ニャー」
「敵に背中を向けるとはバカなやつだ。叩き潰してやるー!」
「必殺! モウジュウパーンチ!!」
「ニャー!」
「み、身軽かつ鋭い一撃……お見事ー!!」
敵のロボは宇宙にある母艦までふっ飛んだ。
「よっしゃー! 大! 大! 大! 大勝利だー!」
「ニャー!!」
猫パンチ強いな。かなり追い詰められてるけど、なんとかなるのかなー? ちなみにエンディングでは猫カフェでくつろぐ猫たちの映像が見られる。猫が何かすると効果音が鳴るがそれ以外はテロップしか流れない。おっ、次回予告か。
「ブルーは相棒に嫌われている。ブルーの相棒はなぜかレッドに懐いている。羨ましい。恨めしい。次回、ブルーの憂鬱、お楽しみに!」
 




