反転と解放と分配
そうか、この娘は他人の不幸を食べすぎて体を壊したのか。人間と複数の何かが混じってるけど、見た目は人間の女の子だな。
「校舎の外にいる悪霊たちはきっと君に取り憑いて君を暴走させ、世界に不幸をばら撒こうとしている。だから、今から君の体内の不幸を幸福に変えようと思う」
「そんなことできるんですか?」
「反転させるだけだから簡単だよ」
僕が『反転』と空に書くと彼女の体内にある不幸を幸福に変えた。
「君の体内は幸福でいっぱいだ。不幸よりかはマシだけど貯め込むのはよくない。だから僕は今からそれを世界中の人に分け与えようと思う。いいかな?」
「は、はい、大丈夫です」
「ありがとう。じゃあ、始めようか」
「は、はい」
僕は『解放』と『分配』の文字を使って世界中の人に幸福を分け与えた。
「はい、おしまい。お疲れ様」
「あ、ありがとうございます。助かりました」
「どういたしまして。不幸が腹八分目になったらまたおいで」
「は、はい、そうします」
「お義兄ちゃん、そろそろデート行こうよー」
「そうだな。じゃあ、またね」
「はい、また」
初対面なのに対応が神だったなー。また会いたいなー。




