表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1863/1940

カモノハシグマの毒

 カモノハシの突然変異体……それが『カモノハシグマ』である。蹴爪けづめにある毒は一滴でシロナガスクジラを『十八』頭殺せる。密猟者たちに狙われても全員あの世に送ってしまうため『死神より恐ろしい死神』とも呼ばれている。


「あのよー、俺の毒は対象を自動追尾するから逃げるのは困難なんだよー。しかもよー、体内に侵入したら絶命するまで全身に激痛を与え続けるからできれば使いたくないんだよー。見てると心が痛むからー」


「だ、黙れー!」


 銃弾が俺の胴体に当たったが俺の毒に喰われてしまった。


「今何かしたか?」


「ば、化け物め! あっち行け!」


「俺の家はこの先にあるんだよ。だから、お前はさっさと帰れ」


「わ、分かった。分かったからオレがこの島を出るまでそこから一歩も動かないでくれ」


「はいはい」


「絶対だぞ! 絶対だからな!」


「ああ。お前が余計なことをしなければ俺は何もしないよー」


「や、約束だぞ。ちゃんと守れよ」


「ああ」


 よし! やつの巣に火をつけてから帰ろう!!


「ここがあいつの巣だな。よし、火をつけよう」


「はぁ……人間って愚かだなー」


「お、おい! 何勝手に動いてるんだよ!」


「お前が約束を破ったから俺は今からお前を殺す」


「ま、待て! これは違うんだ……。オレはお前の巣を掃除しようと……」


「そのマッチでどうやって掃除するつもりなんだ?」


「こ、これはみぞをきれいにするためのものだ」


「そうか。じゃあ、今から掃除しろ。きれいになったら帰してやる」


「黙れ! 化け物! オレに命令するな!!」


「そうか。じゃあ、来世に期待するよ。それっ」


 密猟者の全身に激痛が襲いかかる。もう彼は助からない。


「死んだか」


「ああ、死んだよ。なあ、星の王。いったいいつになったら人間は俺の命を狙わなくなるんだ?」


「さぁ? でも、いつかそうなるといいな」


「だな。はぁ……俺は静かに暮らしたいだけなんだけどなー」


 彼はため息を吐きながら巣に戻っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ