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カブトガニューと競走してみた
カブトガニの突然変異体……それが『カブトガニュー』である。やつはマッハ『十三』で動ける。
「ねえねえ、星の王。私と競走しない?」
「競走かー。トライアスロンじゃダメかな?」
「私、自転車乗れないんだよねー」
「そうか。じゃあ、スケボーならどうかな?」
「いいわよー。じゃあ、コース作って」
「はいよー」
ここは鏡の世界だから人はいない。だから、土地を魔改造しても怒られない。
「できたぞー」
「よし、じゃあ、位置についてー」
「ついたぞー」
「よーい……ドン!」
僕はゴール直前まで『カブトガニュー』にぴったりついていき、ゴールする時のみ加速した。
「くっそー! 負けたー! 悔しい!」
「カーブで失速しなかったな。どうやってるんだ?」
「私の自慢の『尾剣』でね、チーターのシッポみたいにバランス取ってるのよー」
「なるほど。いやあ、楽しかった。またやろうな」
「うん!」




