天地逆転爆弾
ミラーボール型の宇宙船が太平洋に落下。しかし、それは直径十センチほどだったため、ニュースにならなかった。
「とりあえず空き地に持っていくか」
ニュースにならない小さな事件でも星の王は感知する。
「えーっと、フィルター結界で塩水とかゴミを分離してっと」
うーん、誰も出てこないな……生体反応はあるんだが。寝てるのかな?
「まあ、いいや。亜空間に入れておこう」
よし、じゃあ、帰るか。
「おい、『天地逆転爆弾』がないぞ」
「何? それはたしかか?」
「ああ」
「そうか……あっ」
「どうした?」
「いや、うちの妹がそれを積んでる宇宙船を目を輝かせながら見ていたのを思い出してな……」
「ま、まさか……」
「多分……いや、確実に犯人は俺の妹だ。船内に妹の生体反応ないから間違いない」
「な、なんてことだ……。あれ一つで宇宙一つ消滅してしまうんだぞ!」
「分かってる。だから、なるべく早く回収して処分する必要がある」
「そ、そうだな。えーっと、例の宇宙船が向かった星は……地球か」
「罪人たちの星か。妹が例の宇宙船に乗ってなかったら放置確定だったな」
「そうだな。よし、じゃあ、行こうか」
「ああ」




