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白いクロウタドリの悩み
はぁ……はぁ……つ、疲れたー。どこかで休もう。よし、あの庭にしよう。
「ふぅー、やれやれ、人間ってのはどうしてあんなに貪欲なんだ?」
「人間ってのはお金が絡んでると貪欲になりやすいんだよ」
「だ、誰だ!」
「安心しろ。僕はこの家の住人だ」
「そうか。あっ、俺の居場所ハンター共に言うなよ?」
「分かった。まあ、ゆっくりしていくといいよ」
「そうさせてもらうよ。はぁ……なんで俺クロウタドリなのに白いんだろう」
「ス○ミー、赤鼻のト○カイ、一寸○師……」
「え?」
「みんなと違うのは強みだよ。でも、それを活かせないとやがて腫れ物扱いされるようになる」
「俺もいずれそうなるかもなー」
「さて、それはどうかな?」
「ん? どういうことだ?」
「晴れの日に空に浮かんでいる雲たちは何色かな?」
「うーん? あー! そうか! 雲の上に住めばいいのか!」
「まあ、そうなるね」
「ありがとう! お前、いいやつだな! じゃあ、またな!」
「うん、またね」
こうして白いクロウタドリは雲と共に世界を巡り始めた。また会えるといいな。




