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シン・バジリスク
ここは鏡の世界。
「バジリスクは蛇型。コカトリスは鳥型でいいんじゃないか?」
『うーん』
「どうした? 何か不満でもあるのか?」
『バジリスクとコカトリスにしかないものが欲しい』
「じゃあ、双方の見た目を少し変えよう。バジリスク」
「なんだ?」
「君の頭に王冠の絵を描こうと思う」
「王冠かー。いいなー」
「まあ、絵というかそういう風に見える模様なんだけどな」
「そうか。まあ、頭に何か乗せると戦いにくいからな。それでいいだろう」
「分かった」
僕はバジリスクの頭部の皮膚を弄って王冠に見える模様にした。
「えーっと、あとは脳波で動く剣を八本、君に渡すよ」
「剣かー。うーん、食事とか背中かゆい時に使いたいから変形できるようにしてくれ」
「分かった。はい、どうぞ」
「ありがとう。うん! これはなかなかいいぞ!」
「よかったな。今日から君は『シン・バジリスク』だ」
「『シン・バジリスク』かー。いい名前だなー」
「おーい、俺の体も弄ってくれー」
「はいよー」




