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サヨナキドリの警告
僕が通っている高校の校庭付近にある銀杏の木の枝に日本にいないはずのサヨナキドリがいる。最初は一匹だけだったが少しずつ増えている。鳴き声はそんなにうるさくない。というか美声だからBGM代わりになるのだが、凶事の前兆かもしれない。うーん、まあ、一応調べてみるか。
「よし、とりあえず鳴き声を翻訳してみるか」
『警告! 警告! やつが来る! やつが来る!』
「やつ? やつって誰だ?」
サヨナキドリたちが名前を言おうとすると体が石化してしまった。
「木は石になってないな」
「バジバジ!!」
「コケー!!」
はぁ……なんか面倒なの来たな……。
「おい、バジリスクとコカトリス。ケンカの原因はなんだ?」
『こいつの外見が気に食わない!!』
「あー、分かる、分かるぞ。あれだろ? 双方の話が混同されたり同一視されたりしてるのが気に食わないんだろ?」
『大正解!!』
「うん、まあ、とりあえず鏡の世界に来てくれ。どっちも視界に生き物がいたら一切合切石になっちゃうから」
『分かった!!』




