1826/1940
頭ナデナデしてー
ジンチョウゲの花言葉は栄光、不死、不滅、永遠。つまり、ジンチョウゲの妖精を捕まえて食べたり力を抽出したりすればそれらのいずれかまたは全てが手に入る。そういえば、かなり前に葛とミントとサボテンの妖精が人間に捕まったことがあったなー。全員助けられたからよかったものの彼女たちの力が悪用されていたらと思うとゾッとする。
「ジンチョウゲの妖精が狙われることはもうないだろうけど不死鳥とか人魚がターゲットになるかもしれないなー」
「ダーリン! 頭ナデナデしてー」
家出中の白猫は僕の自室に入ると僕の膝の上で丸くなった。
「はいはい、よーしよし」
「あー、ダーリンの手あったかーい」
「なあ、お前はずっとここにいるつもりなのか?」
「うーん、どうだろう。あっ、死期が近づいたら出ていくかも」
「ん? お前もうすぐ死ぬのか?」
「ダーリンが生きてる限り死なないわよ」
「え? そうなのか?」
「最近の猫は長命だからね。ふわぁ……ねえ、ここで寝てもいい?」
「ああ、いいぞ」
「ありがとう、ダーリン。それじゃあ、おやすみなさい」
「うん、おやすみ」




