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そんなの妹が全員消したよ

 夏樹なつき(僕たちの妹)が自由帳に書いた小説を読んでみた。


「終始、兄妹がイチャイチャしてるな」


「お互いのことが大好きだからね!」


「そうか。そういえば恋敵が出てこないな」


「そんなの妹が全員消したよ」


「……え?」


「まあ、消したというかそいつらに関する情報を食べちゃったから存在しているけど、存在していないことになってるんだよ」


「日常系とは……」


「兄妹がイチャイチャしてるから日常系だよ」


「いや、その、なんというか、そこに至るまでのなんやかんやが気になって仕方ないのだが」


「どっちも害虫駆除の専門家だよー。あー、あと二人が同じ場所にいる時は平和だよー」


「そ、そうか。えっと、これから恋敵が登場する予定は?」


「ないよ」


「断言したな」


「だって、もういないもん」


「そうか。うーん、じゃあ、回想で登場する予定は?」


「うーん、たまーにあるかも?」


「そうか。よし、じゃあもう終始イチャイチャさせよう。あと、この作品の怖い部分は巻末に書こう」


「オッケー」


 こうして夏樹なつきは好きなものを好きな時にじゃんじゃん書くようになった。

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