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鬼姫に弱点はあるのか

 ここは鬼狩りたちのアジト。

 鬼狩り全員が束になっても鬼姫ききには勝てないらしい。うーん、弱点とかないのかなー?


「隊長、鬼姫ききに弱点はないんですか?」


「あったらとっくに倒されてるよ」


「ですよね。でも、アレを野放しにしておいたらきっとまた大暴れします」


「新人くん、君は彼女がなぜ暴れたのか知ってる?」


「住処を人間の子どもに荒らされたからです」


「正解。だからね、彼女が嫌がることはしない方がいいんだよ。じゃないとこの星、一瞬で壊れちゃうから」


「それはまあ、そうですが……」


「一応色々試したんだよ。節分豆を投げたり、焼いたイワシの頭を鬼狩り全員に装備したり、ひいらぎの葉っぱを手裏剣にして投げたり……でもね、全部効かなかったんだよ。というか、全部食べられちゃった。おかしいよね」


「ですね。でも、きっと弱点があるはずです」


「あるといいね」


「ないわよ、そんなの」


「うわあ! き、鬼姫きき! どうしてお前がここに!!」


「あたしの弱点を知りたい新人くんに会ってみたかったからだよ」


「た、隊長! 助けてください! 殺されるー!」


「うちの新人をあまりいじめないでくれ。まだ右も左も分からないんだ」


「はいはい。ねえ、新人くん。あたしの弱点知りたい?」


「え? え、ええ、まあ」


「ふーん、そうなんだ。じゃあ、教えてあげる。あたしの弱点はね……あんたたちよ」


「え?」


「あたしは人間の負の感情が集まって生まれたから多分人間がいなくなれば、あたしは死ぬ。でも、あたしの中には明らかに別の世界の人間の負の感情がある」


「と、ということは、お前を倒すには……」


「無数に存在する人間全てを絶滅させないと無理ってわけ」


「そ、そんな……そんなの絶対無理だ……そんなの誰にも倒せない」


「あー、分かってると思うけど、あんたの負の感情もあたしの養分だからあんまり落ち込むとあたし今よりもっと強くなっちゃうわよ」


「た、隊長……隊長はこのことを知っていたんですか?」


「ううん、初耳だよ」


「そう、ですか」


「それじゃあ、あたしそろそろ帰るね。新人くん、あたし以外の鬼の討伐頑張ってね! じゃ!!」


「……隊長」


「なんだい?」


「隊長は昔あいつと戦ったことがあるんですよね?」


「正しくは遊んだことがある、だよ」


「そうですか。それでどうでしたか?」


「私の体がボロボロになっても彼女はケロッとしてたよ。私がその場にいるのにいないもの扱いされてた。でも、そのおかげで生き残れた。まあ、私以外の同期はその時全員死んじゃったんだけどね」


「隊長……」


「君は私みたいにならないでね」


「はい」

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