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いやいや、甘えたい時は甘えていいんだよ
パウンドケーキの妖精は僕の家に住んでいる娘たちに歓迎された。彼は嬉し涙を流しながら彼女たちにパウンドケーキをごちそうした。
「ありがとう、星の王。それから……その……なんというか、たまにここに来てもいいかな?」
「毎日来てもいいぞ」
「そうか……毎日か。嬉しいなー」
「お菓子の国に帰りたくないんだったらもううちに住めばいいんじゃないか?」
「いや、別にお菓子の国は嫌いじゃないんだよ。ただたまに空気がピリピリしてる日があって……それが苦手なんだよ」
「じゃあ、そういう日はうちに泊まるといい」
「さすがにそこまで甘えるわけにはいかないよ」
「いやいや、甘えたい時は甘えていいんだよ」
「そうか……じゃあ、そうしようかな」
「よし、決まりだな。えっと、今日はどうする?」
「今日は帰るよ」
「そうか。じゃあ、またな」
「うん」




