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巨人と少女
少女はいつも元気で活発。巨人は気弱で出無精。そんな二人は昔から仲良く暮らしていた。少女が女神の器だと分かるまでは……。
「ギガン、もういいよ。私が村に帰れば解決するんだから」
「ポピー、君を捨てた村に戻る必要はない。僕と一緒に逃げよう」
「でも、私が逃げたら村は女神に燃やされちゃう」
「そんなやつのために君が犠牲になる必要はない。さぁ、僕と逃げよう」
「で、でも」
「行っていいよ。あとは星の王の後継者であるぼくがなんとかするから」
「そうか。君が噂の継護か。雅人とほぼ同じ強さの」
「それはぼくにも分からないよ。それより早く逃げた方がいいよ。村人たちがそこまで来てるから」
「分かった。ありがとう」
「あ、ありがとう」
「どういたしまして。女神よ、この近くに甘味処がある。そこで少し話さないか?」
「……話す」
「ありがとう。じゃあ、行こうか」
「……うん」




