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こいつはお前に依存しすぎだ

 夏樹なつき(僕たちの妹)はまだ夢の中にいる。


「お義兄にいちゃん、だーいすきー」


「はいはい」


 僕が夏樹なつきの頭の撫でると夏樹なつきは自分の黒い長髪を動かし、僕の腕に巻きつける。その後、夏樹なつきの後頭部にある口が僕に話しかけてきた。


夏樹こいつはお前に依存しすぎだ。お前が別の世界に行くだけで恋しくなって自分の部屋でお前の写真を見ながら慰めてる」


「重症だな」


「そうだな。なあ、雅人まさと。お前は誰を幸せにするつもりなんだ?」


「今のところ、みんなだよ」


「それってうちにいるやつら全員ってことか?」


「それと僕に好意がある人、人外、物全てだ」


「多すぎないか?」


「多いな。けど、そうしないとこの世界は滅んじゃうだろ?」


「まあ、お前に好意があるやつがお前以外と交わろうとするとあそこがヤツメウナギの口になるからな。というか、アレって異物を徹底的に排除するから体外受精も難しいんじゃないか?」


「だろうな」


「これ、もう呪いだろ」


「僕はそんなの望んでない。僕のあそこにいる龍神が勝手にそうしてるだけだ」


「酷いなー。それってどうにかならないのか?」


「僕に関する記憶を消せば元に戻るよ」


「そうか。なら、安心だな」


「ああ」


「ん? 待てよ。今うちにいるやつらにも同じことをすれば元に戻るんじゃないか?」


「ああ、そうだ」


「じゃあ、夏樹なつきルートに入れる可能性があるってことか」


「まあ、できなくはないけど、そうなると『どうして自分たちは知らない男の家に居候してるんだろう』とか『この娘、私と誰の娘なの?』っていうホラー展開になるからあんまりやりたくないんだよ」


「そうだなー。というか、本人たちが嫌がるかもしれないからな。うちにいるやつらの記憶を消すのはやめといた方がいいな」


「だな」


「ふわぁ……なんか眠くなってきたなー。少し寝るか。おやすみー」


「うん、おやすみ」

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