大丈夫。私が全部元戻りにするから。えいっ
僕が「えいっ」と言うと万物が粉々になってしまった。
「や、やってしまった……。何がとは言わないがこのままだと打ち切りになるな……」
「大丈夫。私が全部元戻りにするから。えいっ」
必要な時にしかしゃべらない吸血鬼がそう言うと全て元に戻った。
「これでよし。ねえ、あなたの後継者を作るのに必要な素材っていくつあるの?」
「それは星の王の力で取り寄せるから集めなくていいんだけど、なんか一つだけ採取できないものがあるんだよ」
「それって何なの?」
「『はじまりの吸血鬼』の唾液だ」
「それは権限がないと採取できないよ」
「そっかー。はぁ……どこかにその権限持ってるやついないかなー」
「それ、あなたのそばにいるよ」
「僕のそば? ん? まさか……君がそうなのか?」
「そうだよー。というか、私が『はじまりの吸血鬼』『マリス・ブラッドドレイン』だよー。まあ、オリジナルじゃないんだけどね」
「じゃあ、君はいったい何なんだ?」
「私はオリジナルのそっくりさん。まあ、人形みたいなものだよ」
「そうか」
「あんまり驚いてないね」
「まあ、こうなる未来が見えていたからな」
「そっかー。じゃあ、もし私があなたに唾液渡さないって言ったらどうする?」
「おいしい料理を作って君の目の前でおいしそうに食べる」
「星の王は腹黒いなー。でも、今のまあまあ面白かったから私の唾液が入ってる容器あげるね。あっ、もしかして今ここで出した方がいい?」
「そんなことしたら夏樹に刺されるぞ」
「だろうねー。じゃあ、私はこれで」
「おう、またな」
「うん、またねー」




