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このビルの地下十階にいる『マザー』です
ビル内の受付には瞬きを一切しない人がいた。
「すみません、このビルで一番偉い人の名前を教えてください」
「このビルの地下十階にいる『マザー』です」
「なるほど。ねえ、このビルを見学してもいいかな?」
「マザーはあなたを歓迎しています。こちらのパスキーを持ってエレベーターの扉の前に立ってください」
「分かった、ありがとう」
「どういたしまして」
僕がエレベーターの扉の前に立つとゆっくりと扉が開いた。
「よし、乗るか」
僕がエレベーターに乗るとエレベーターは地下十階に向かい始めた。
「地下十階です。地下十階です」
「おっ、着いたか。よし、降りよう」
パスキー所持者を発見。これより案内を開始します。
「コントロールルームに来るのは初めてですか?」
「うん」
「では、私が案内します」
ガイドさんは回れ右をするとコントロールルームの中央に向かって歩き始めた。受付にいた人より少し背が低いな。それ以外は……何もかも同じだ。




