バスジャック 前編
アースちゃんはバスの中でおいしそうに焼肉弁当を食べている。
「全員動くな! 動いたら撃つぞ!!」
バスジャックか。乗客の大半がパニックになってるな。
「おい! そこのガキ! 食べるのやめろ! 死にたいのか!!」
「ちょっと待って。もう少しで食べ終わるから」
「ダメだ! 今すぐ手を止めろ!!」
威嚇射撃か。まあ、空砲だったけど。
「ごちそうさまでした。あー、おいしかったー」
「そうか。じゃあ、死ね!!」
「アースバリア。ふぅ……危なかったー」
「な、なんだ! それは! 手品か?」
「地球の許可がないと割れないバリアだよー」
「ふ、ふざけるな! おい! お前ら! 今すぐこのガキを蜂の巣にしろ!!」
『おう!!』
無駄弾なんだよなー。
「な、なんで……なんで割れないんだ! ガラスより硬度なさそうなのに!!」
「見た目で判断しちゃダメだよ。ねえ? 雅人」
「まあ、そうだな」
「しゃべるな! 顔をふっ飛ばすぞ!!」
「……」
「返事をしろ!」
「数秒前に自分が言ったセリフを忘れないでください。不愉快です」
「こ、こいつ! よおし、決めた! まずお前から殺してやる!!」
「どうぞご自由に」




