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プランちゃんは優勝したい
私の翼はあまり大きくない。でも、小回りが利く。だから、他のプテラノドンより素早く動ける。
「今年のスーパーエアレースのコースはクネクネしている。よし、これなら優勝を狙える」
「プラン。お前、まさか今年のスーパーエアレースに出るつもりなのか?」
「うん」
「やめておけ。テノドーンが引退しない限り優勝は無理だ」
「私知ってるよ。ノラン兄さんが毎年ゴール寸前で手を抜いてること」
「そ、それは……」
「テノドーンには黒い噂があるから……でしょ?」
「否定はしない。だから」
「私は出るよ。みんなの希望になりたいから」
「……勝手にしろ」
ノラン兄さんは秘密の特訓場に行けるカードキーを私の部屋に置いていった。
「ありがとう、兄さん。私、頑張るよ」




